
- はじめに
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時を忘れ、失敗の恐れや後先のことを考えずに全力で取り組むとき、まるで子供が無邪気に遊んでいるかのような状況が、最も成果を生み、成長を促すのではないでしょうか。 私は常に、青年会議所の活動を通じて『遊び心』を大切にしてきました。
この言葉からは、ゲームやおもちゃの形式的な遊びや、真剣に取り組まないという否定的なイメージが生まれるかもしれませんが、 決して手を抜くことや、ラクをすることではありません。
むしろ、自らのアイデアや計画にワクワクし、目の前の課題に熱中することを指しています。
時代の変化も激しくなり、情報が多き時代となりました。
この正解のない時代には、過去の常識にとらわれず、自らの考えで答えを見つけ出す勇気が求められます。
そのような状況下においてこそ、『遊び心』を持つことが重要であると私は考えています。
正解がないのですから、試行錯誤しながら最適解を作り出さなければなりません。
その前例無きチャレンジの過程の中で、私たち自身が面白い楽しいと思える要素が混合するからこそ、 独自の柔軟性や自由な発想が生まれるのです。
そして、自らの意思で創意工夫しながら行動し、ポジティブな姿勢で取り組むことが突き抜けた成果を生むと確信しています。
さらに、別府市は日々多くの観光客が訪れる温泉地としてだけでなく、多様な文化や伝統がそれぞれ独自の輝きを放っており、 地域全体で多様性を受け入れる風土が根付いています。
様々なバックグラウンドを持つ私たちが各々の『遊び心』を持ち、個性を最大限に発揮しながら主体的に活動し、組織としての力を増幅させることが、 別府をリードするに相応しい青年会議所としての価値創造に繋がると信じています。
本年度、一般社団法人別府青年会議所は創立50周年を迎えます。
半世紀という歴史を背負い、さらなる飛躍を目指すこの特別な年に、 私たちは他の諸団体とは一線を画す常識に囚われない発想と行動により、別府青年会議所の存在感をさらに発揮してまいります。
先人たちから受け継いだ志を胸に刻み、その責任と期待に応えるため、私たちがより誇りを持てる別府を築くために努力をし、新たな歴史を刻んでいく決意です。
自らを信じて無限の可能性に挑戦し、自らの意思で新たなる道を切り拓いてまいりましょう。
明るい豊かな社会の実現へ向けて、『創造無限 ― 未来を創るのは俺たちの遊び心だっ! ―』をスローガンに掲げながら全会員一丸となって運動を展開してまいります。
- 盤石な組織体制の構築
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個々の力を最大限に発揮するためには、組織全体が支える盤石な体制が不可欠です。
規律の意義と必要性を再認識し、単に規律を守ることを目指すのではなく、規律が遵守されるような仕組みを構築することが組織運営の円滑さに繋がると考えます。
また、組織内の各責任者が孤立しないような環境を整備する必要があります。
責任の所在や進捗状況を明確にし、適切なフォローアップを行うことで、チームの結束力や生産性を高め、より良い成果を生み出すことができます。 - アップデートを常とする広報活動
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広報活動は、ただ情報を発信するだけではなく、いかに人々の興味・関心を引きつけるかが重要です。
別府青年会議所の取り組みや価値を多くの方々に知っていただくためには、私たち自身が効果的な発信手法を常に学び、 仮説検証を繰り返しながら時代に合わせてアップデートしていくことが必要です。
これからも私たちの活動をより多くの方々に届けるため、そして私たちの活動と運動に対してより一層の魅力を感じていただけるよう、戦略的かつ効果的な広報活動を展開してまいります。 - 地域発展の鍵となる人材
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人材こそが地域発展におけるもっとも重要な資源であります。
別府青年会議所にも多種多様なメンバーが在籍をしており、別府の発展に寄与できるような人材を目指し、成長を続けなければなりません。
地域をリードする役割を果たしていくために、それぞれがこれまでに培ってきた経験や知識を共有することで、 お互いに刺激を与え合い、切磋琢磨する機会を創出し、個人の成長と共に組織全体の力を高めていくことが必要です。
また、メンバー一人ひとりの成長が、会社の発展、さらには地域全体の成長へと繋がると信じています。
共に学び、共に成長し、より強い絆で地域を支えていきましょう。 - 貴重な原体験を通じた青少年育成
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未来を担う青少年は、地域にとってかけがえのない宝であり、彼らの成長が地域の発展にとって不可欠です。
子供たちが秘める無限の可能性を最大限に引き出し、豊かな人生を歩んでいけるようにすることは、私たち大人一人ひとりの重要な責務です。
別府青年会議所は、「あの時の経験が自分の人生の糧になった」と彼らが振り返り、宝物のように思い出してもらえるような、 貴重な原体験を提供することを目指しています。
学校や家庭では得られない、将来の行動や価値観に深い影響を与えるような環境を積極的に創り出すことで、 彼らの成長を通じ、別府の未来はより一層輝かしいものとなることでしょう。 - 個々の輝きを最大化する会員交流
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別府青年会議所のメンバー同士が互いの素顔を見せ合う機会は意外と少ないものです。
ただ決まり事であるルーティンを遂行するのだけではなく、日常とは異なる視点での交流が、深い理解と絆を生み出します。
そのためには、遊び心を持った企画・運営を実施する必要があります。
日常ではなかなか見られない一面を知ることで、お互いの人間性をより深く理解し、信頼関係を築くことができます。
これによって、個々の個性が輝きを放ち、困難な時でも助け合える真の仲間としての絆が育まれることで、より充実した青年会議所の活動が実現できます。 - 可能性に挑戦する地域活動
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別府には無限の魅力があります。
私たち別府青年会議所は、この素晴らしい地域観光の魅力をより広く知らしめ、観光産業に貢献する取り組みを行います。
別府が持つ潜在的な力を追求すべく、地域の資源を生かした新たなプロジェクトやイノベーションを促進し、その魅力を最大限に発揮します。
そして、別府には地域を愛し、精力的に活動している団体や個人が数多く存在します。
彼らの熱意と努力は、別府の宝であり、地域の発展に不可欠な要素です。
私たちは彼らと積極的に協力し、共に地域課題の解決や地域活性化に取り組んでまいります。 - 国際交流の先にある国際理解
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国際交流において、観光的な側面は一面的なものであり、本質的な交流を築く上で日常を共有することが重要だと考えております。
観光では一時的な体験や表面的な理解しか得られず、その地域や文化の本質を深く理解することは難しい場合があります。
一方で、日常を共有することは、共通の喜びや悩み、文化的な慣習や価値観を通じて、より深い絆を生み出し、相互理解を促進します。
私たち別府青年会議所は、中華民国台北市陽明山國際青年商會と姉妹締結をしています。
国際交流においては観光的な体験だけでなく、日常生活を共有し、真の意味での国際理解を深めることを目指します。 - 50周年を迎えるメンバーとして
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50周年を迎える別府青年会議所として、私たちは49年の歴史を振り返り、その中から受け継がれてきた歴史や精神を深く理解します。
これまでの歩みから学び、別府の未来へ向けてさらなる発展を遂げるために取り組みます。
過去の経験と叡智を活かし、地域の課題に果敢に立ち向かい、新たな可能性を探求してまいります。
私たちは団結し、情熱と責任を持って、50周年に相応しい成果を築き上げ、別府青年会議所の存在価値をより一層高めていくことを誓います。 - おわりに
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青年会議所という組織の概念は人によって大きく変わりますし、その具体的な運動・活動手法においても明確な正解はないと思っています。
しかし、青年会議所に所属して青年としての貴重な時間を投じる私たち個人としての正解があるとすれば、 この青年会議所という学び舎が与えてくれる成長の機会・仲間との思い出の機会を、存分に堪能することだと考えております。
そしてそれらは、ただ楽しいだけであったり、ただ単に時を過ごすだけで得ることはできません。
自分の今までを振り返っても、「こんなこと本当にできるんだろうか」「こんなことをやって意味があるのか」と、 自分の快適な範囲を超えた不安な事やキツイ事をやってきた時こそ、成長の機会や仲間との絆が作れてきました。
ただ目の前のことをこなすのではなく、その瞬間を走りぬいた時にこそ醍醐味を味わうことが出来る。
JCに使われるのではなく、自らJCを使っていこう。
そんな共通意識をメンバー全員が持ち、人のため・地域のため・未来のため、そしてなにより自分自身のために生きた時間を使うことができれば、別府青年会議所として最高の年になると信じています。
2014年に青年会議所の扉を開いて以来、数多くの素晴らしい活動や運動に参画をさせていただきました。
それらの思い出を振り返ってみると、誰しもが思いつくような発想でもなければ、嫌々やらされるわけでもありませんでした。
常にその結果の裏には、独自の創造性と主体的な行動、つまり誰かの『遊び心』ありました。
私たちは、これからもその精神を大切にし、挑戦を恐れず、若きエネルギーを燃やし走り続ける所存です。
50年という別府青年会議所の歴史を築き上げられた諸先輩方に敬意と感謝とそして誇りを持って今年一年の青年会議所活動を行う所存でございますので、 一層のご支援・ご協力を賜りますよう衷心よりお願い申し上げ、私の所信にかえさせていただきます。
一般社団法人 別府青年会議所
第50代理事長
河野 勉也